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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則135
『足湯で快眠?!』
普段の生活では、
なかなか満足いく睡眠がとれなくても、
旅先ではぐっすり眠れる、
ということはありませんか?
そんなときは、
「旅先だからリラックスできた」ということで終わらせずに、
何が良かったのかを分析してみて、
日常でも再現してみましょう。
旅先でよく眠れた理由でよく聞くのは、
「温泉で温まったから」という答えですが、
なかでも「足湯をした」という方が多いです。
ぐっすりと深く眠る条件は、
内臓の温度である深部体温の放熱です。
体の表面が温められると、
血液の温度が上がるとともに循環が良くなり、
徐々に深部体温が上がり、
汗をかいて放熱されます。
ただ、
入浴をすると
すぐにのぼせてしまうから入浴時間が短い、
という方には、
体に大きく負担がかかってしまいます。
また、肝心な深部体温が上がる前に入浴を終えてしまうので、
入浴による体温の放熱が起こりにくくなります。
それに対して、
足湯ならば、
全身にかかる負担を減らしつつ、
深部体温を上昇させて
放熱を促すことができます。

足湯の効果を検証した実験では、
15分間の足湯で、
体の表面の温度が上がり、
血流が促進されています。
これは、
深部体温の上昇と放熱が
促される結果です。
また、
心拍数の低下、血圧の低下など、
副交感神経の活動により、
交感神経活動が抑制された結果も得られています。
家庭で足湯をするのは、
なかなか難しいと思われるかもしれません。
例えば、
全身浴の前や後に、
浴槽の縁に座って足湯をして体を温めると、
忙しい日常の中でも、
足湯を取り入れやすいです。
気温が上がると、暑さから
入浴をせずにシャワー浴だけで済ませる、
という方もいると思いますが
気温が高い季節ほど、深部体温の放熱は重要です。
足湯ができる分だけ浴槽に湯張りし、15分の足湯をする。
もしくは、最低限でも、シャワー浴の後、
両足首に10秒ずつシャワーをあて、
足首の血液を温めるなど、
深部体温の上昇を助けてみましょう。

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
著書:あなたの人生を変える睡眠の法則2.0
イラスト/菅原洋平
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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